第21回研究会のお知らせ
加島卓氏博士論文 「〈広告制作者〉の歴史社会学:近代日本における個人と組織をめぐる揺らぎ」合評会
加島卓

かねてよりご連絡いたしておりましたとおり、研究会メンバー加島卓さんの博士論文上梓をうけ

今回は博士論文合評会として開催したいと思います。場所は大阪市立大学の梅田サテライトです。場所をお間違えなきよう、よろしくお願いいたします。すこし長丁場の会となりますが、非常に長期間にわたる広告の動向を研究対象とした労作です。貴重な機会となると存じます。みなさまご予定ください。

1.日時:2012年8月27日 (月) 13時30分~17時30分

2.場所: 大阪市立大学 梅田サテライト 文化交流センター 小セミナー室
〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-600(大阪駅前第2ビル6階)

3.第21回研究会のテーマ
加島卓氏博士論文
「〈広告制作者〉の歴史社会学:近代日本における個人と組織をめぐる揺らぎ」合評会

1) 加島氏による概要報告(30分)

2) 研究会メンバーによる評と質疑(評者3、4名、各30分)

3) 質疑応答・全体ディスカッション・総評 (30分)
※ 途中に休憩を2-30分入れる予定です。
※ 参考資料として論文章立てをこの案内下部につけております。

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〈広告制作者〉の歴史社会学:近代日本における個人と組織をめぐる揺らぎ

加島卓
東京大学大学院学際情報学府、博士論文、2012年

(章立て)

第1章
【1-1】問題意識:理解への問い
【1-2】研究対象:〈広告制作者〉という職業理念
【1-3】研究方法:言説分析と事象内記述
【1-4】先行研究:〈広告制作者〉の歴史社会学
【1-5】章構成

第2章 〈広告制作者〉の不在(1910年代まで)
【2-1】引札における署名
【2-2】「戯作」という起源
【2-3】代作屋書知と戯作者
【2-4】「文案」の誕生
【2-5】工芸における図案
【2-6】「図案」への問い
【2-7】「区別」の発見
【2-8】参照点の不在
【2-9】工芸図案から印刷図案へ

第3章 〈広告制作者〉の起源(1920年代後半)
【3-1】広告の全面展開と図案家の揺らぎ
【3-2】大戦ポスターと美人画
【3-3】杉浦非水と七人社
【3-4】商業美術家の誕生
【3-5】職業理念としての〈広告制作者〉

第4章 〈広告制作者〉の自律(1940年前後)
【4-1】企業のなかの商業美術家
【4-2】論理の自律
【4-3】ポスター概念の拡張と美人画の馴致
【4-4】語りのなかのレイアウト
【4-5】レイアウト概念の拡張
【4-6】報道技術者の弁証法
【4-7】報道技術者と「書くこと」

第5章 〈広告制作者〉の成立(1950年前後)
【5-1】戦後のなかの戦前
【5-2】アートディレクターと新井静一郎
【5-3】今泉武治の消され方
【5-4】新井静一郎という偶然
【5-5】アートディレクターという冗長さ
【5-6】広告業界から語る/デザイナーから語る
【5-7】組織における技術語りの多重化
【5-8】東京ADCの「再スタート」と広告業界の再編
【5-9】アートディレクターの上書き

第6章 〈広告制作者〉の展開(1960年前後)
【6-1】商業デザイナーと批評家
【6-2】模倣の社会問題化
【6-3】日本調モダンデザインとグラフィックデザイナー
【6-4】広告業界における組織の強化

第7章 〈広告制作者〉の並存(1970年前後)
【7-1】なんとなく、デザイナー
【7-2】学生運動と日宣美の解散
【7-3】モダンデザインの限界と芸術家としてのグラフィックデザイナー
【7-4】広告業界とグラフィックデザイナー

第8章 〈広告制作者〉の歴史社会学
【8-1】問題意識との対応:職業理念が語られることの系譜
【8-2】事象内記述との対応:〈広告制作者〉という秩序
【8-3】本研究の意義:解釈の水準、史料の水準、方法の水準

参考文献表(第1章)

参考文献表(第2章~第8章)