「津金澤先生に感謝して」

芝田正夫

 京都大学3年生のときに、教育学部に非常勤講師で来ておられた津金澤先生に「広報学」の授業を受けました。放送研究を中心に、効果研究などマス・コミュニケーション研究の基本を教えていただきました。
 その後、1979年に関西学院大学に就職し、同じ教授会メンバーに加えていただいてから、長年にわたってお世話になり、ご指導いただきました。心より感謝しております。ご教示いただいた研究課題も十分に取り組めず、今になって申し訳なく思う次第です。
 とりわけ英国に留学した際は、講演で関西に来られたリーズ大学のブラムラー教授をご紹介いただき、ブラムラー教授の推薦でスコットランドのスターリング大学に行くことができました。それまで、英国で存じ上げる方がありませんでしたので、またとない機会を与えていただいことに今も深く感謝しています。
 先生は社会貢献活動にも取り組まれていました。山村育英会の理事長を長く務められ、兵庫県下の大学生への奨学活動に大きな役割を果たされました。私もそのあとを継いで、理事を務めることができました。また、毎日新聞大阪社会事業団の委員も長く務められ、本山彦一の社会事業活動の精神を実践されていました、
 学会でご一緒したときは、必ず地元の古本屋をまわり、「この本はきっと君に役立つから」と勧めていただいたことも懐かしい思い出です。
 2009年には社会学部から新設の教育学部に移りましたが、教育学部の出身者として適任の仕事だと、喜んでいただいたこともありました。
 最初にお会いしてから50年、この間にお世話になった数々のことにあらためて感謝を申し上げます。

(2022年7月4日)